あっと驚く 馬の調教の考え方

 

レイニングホースをつくる という観点では 
ライダーの年齢はあんまり関係ない

 

アメリカの NRBC のプライムタイムクラス つまり 高齢者クラスのビデオです。
日本では60歳を超えて年金もらいはじめると老けこむ人が多いのですが、アメリカでは
70歳を超えても、こんなふうに若い人に負けないショーイングができます。

 

もちろん、バリバリのアメリカのトップライダーからみれば、ライダーの体力低下 運動能力低下に
よる差はあります。このビデオは アメリカ NRBC で優勝した Andrea Fappani です。

 

 

調教理論 確認作業はしないことが鉄則


たとえば スピンを 直したいという作業を
していると仮定しよう。

うまくいったら 1回目で、やめて 馬を降りるのが鉄則だ。

だから 騎乗時間が 10分なんていうこともあっていいわけだ。

だめなのは うまくいった。

もう1回 やってみて 確認をしようという 人間の都合の発想だ。

馬は、ダメだから もう1回 やらされると理解してしまう。

けっか 馬はなにがよくて なにが悪いのか? 混乱する。

うまくいった瞬間に、ほめて 馬から降りる。

でも やりたくなってしまうのが 人間のかなしい性である。

だから 人間練習をしている間は、馬は絶対によくならないのである。

人間の練習は、練習用の 馬でやる。

競技に使う馬は 専用馬を用意する。

こういう最低でも 2頭をもって 乗馬をはじめないと
なにがよくて なにがわるいのか だんだんわからなくなってしまう。

競技で使う馬なら 確認作業は、絶対にしてはいけないが
ついつい やってしまう。

乗馬って 人間の 常識の習慣的な 思考パターンを超越
しないと うまくいかないことが多い。

 

 

調教理論 予防しないことが鉄則


レイニングホースをつくるさいに、調教理論はいろいろあるが
もっとも 基本的なものが 予防しないということだとおもう。

人間は、予防する生き物であるが、馬を調教するときは
失敗させないといけない。

失敗させて それを叱って 間違いを教えるのである。

ただしいことを教えるというよりは、間違いを積極的にさせて
その都度 叱って ただしい道を 自分で考えさせていく
というほうが、いいのである。


予防するということは、はみを使う 脚を使うということになる。

つまり 馬に ストレスを与えるということになる。

馬が なぜ ストレスを与えられるのか? は 予防している
以上は、馬は 理解しない。だから 失敗するまで、なにも
しないのが調教のイロハである。

予防するのは、競技会本番だけ ということだ。

簡単なようにみえるが、とっても むつかしいことだ。

気が付くと 予防して しまっている自分がいる。

 

調教理論 ハミよりも前に行かせない

 

サークルがレイニングの基本ですが、ハミよりも絶対に前に行かせないというのが鉄則です。

これを守らせること。

まるで目にみえないハミにしたがって 馬が自分でハミの存在を意識して

走っているとどんなにスピードをだしても怖くありません。

アメリカの競技会をみていると ハミ まったく使ってないでしょ。

あれって 真似してみようと思って、試行錯誤しているけれど、とっても難しいことなんです。

具体的には、しっかりとフレーム と 収縮が つくれていることが前提になります。

馬のパワーがしっかりと 地面を蹴っているという感じがつかめているか?

自分の 股の間に 馬がいてくれて 不安がないかどうか?

これらをしっかりと 確認する必要があります。

これらがなんとなく できていると思ったら ハミよりも前に行かせないトレーニングが出来る段階。

完璧に 自分の股の間に馬がいてくれて 馬が前に行かないように意識しているか?

これが理想なんですが、実現するのは とっても難しいです。

 

 

 

調教理論 フレームをつくらないと スピード出せないよ

 

 外方の後肢と内方の前肢 が直線になって 駆動力がまっすぐに伝わっているかどうか?

 この感覚がしっかりとつかめていないと スピードを出すと 馬が焦り出します。

 バランスを崩しながら サークルをまわるのは とっても馬にとっても大変ですが

 ライダーにとっても大変です。

 

 

調教理論 繊細なハミと脚

 

アメリカの 競技会でトップライダーをみていると
実に 馬の動きがいい。

まるで、ごむまりのような 動きをする。

人間でいうと 中国雑技団 のような 柔らかい動きです。

そして ライダーは、ほとんどなにもしてないように見える。

だから ライダーに着目してビデオを何度もみても、真似する部分がない。
だって、なにもしてないように見えるから。

ライダーがなにもしなくてもいい馬をつくるために、馬の理想の
動きをみる という見方で、ビデオを見ないといけません。

この動きをするために、いろいろな、手法があるようですが
とにかく ハミ を使い過ぎないことです。

というよりも なにもハミは触らないが基本。

間違ったことを教えるとき または
ハミでサポートしてやらないと うまく動かないとき

ハミを使う。

その使い方も 毎日 

弱小=> 小=> 中=> 弱大=> 大

みたいに 5段階で使い 理解してくるとその段階から弱めていきます。

たとえば 中で 理解したなら

中=> 小=> 弱小

という感じです。

重要なことは、この馬は、このくらいの強さでやらないと理解しない
という 先入観をもってしまうと 馬が固くなってしまうことです。

毎日 弱小から はじめなければなりませんが、
これが、ついつい 忘れて 昨日はこのくらいで、うまくいったから
今日も、その続きでやるという発想になりがちです。

これがダメなんです。

もしかして、馬が進化しているかもしれないのにその可能性を
奪ってしまいます。

GUNNA BE SHINEY は もう一回 新馬のつもりで、ハミと脚
を見なおしています。

人工的に形をつくるのではなく、馬がいちばん、パワーを発揮できる
形を 自分で見つける手助けをライダーがするという意味合いの調教発想をしないと
だめですね。

 

■基礎トレーニング

 

プロのレイニングの競技者が、馬の基礎トレーニングを委託している CLINON ANDERSON ビデオ

 

■後ろの肢が入るためには

  前肢のかきかたが弱いと 入らない。前肢がかいていると 入る。日本の馬は、前肢がかいていない。

  前肢が入ると 後肢がはいる。その結果、頭が下がる。

  後肢があまり入らない馬は、頭が上がったほうがいい。

  ヘッドセットが先 という考え方は ダメである。

  1番めが 前肢 2番めが 後肢  3番めが 頭

  では、前肢をかかせるには? レーンをフリーにして 前に前に かかせること。

 

 

■空ハミ は ダメ

 

  ハミを使った結果 ハミより手前に 口がきてしまうのは ハミを怖がっているだけ。これはだめ。

  ハミより先に 口が引いてしまうのはダメ。

  頭が高くても ハミを受けている馬はいる。

  ハミを引いた時 ハミを受ければOK つきかえすと 脚で理解させないといけない。

 

■ヒップが入りっぱなしはダメ

 

  ヒップを入れていると ヒップが入りっぱなしになることがあるが これはダメ。

  脚でいれた分だけ 入ること。 脚をもどすと まっすぐにならないといけない。

  ここでいうまっすぐとは 前肢 の 内 と 後肢 の 外が 一直線である状態のこと。