流派の対立(色々な流派を認め合うことで理解が深まるのに・・・)

 


当社では、開発のため色々な先生と呼ばれる方を訪問したり、お話をお聞きすることがありますが、残念ながら、他の流派を幼稚よばわりする先生が多く、コンピュータ業界で長い間生活してきた当方にとっては、占い業界というのは、大変陰気で、閉鎖的で、非発展的な業界としか映りませんでした。運命学のソフトを専門に開発する当社がこういったことをいうのは、大変心苦しいのですが、これでは日本において、運命学という業界は衰退の一方であるという危機感を抱いております。これは中国においても同様で、経済中心、貨幣が中心の近代文明が中国にも影響し、各流派の党首と言われる方でもその技術を社会や国家のために使うという崇高な精神の持ち主は少なく、むしろ自分の金もうけのために使うといった傾向が見られます。運命学の塾やスクールに入校されて、学んだ方の多くは、こういった印象を実感されていると思います。


また、当社としては、運命学というのは、帰納法によって理論をどんどん改良していっても良い学問だと思っているので、対立は一向に構わないのですが、頭から他の流派を認めない先生も多いのが現実です。


しかし実際は、共通している部分も多いのが実状ですが、一派を構える先生は他の先生との交流を全くもっていない業界特有の体質がありますので、他の流派の詳細を知らないというのが現実だと思います。


また、四柱推命などは本来、実際のビジネスの現場で、汗を流すサラリーマンや自営業者の方が使うのが最も良いのです。また会社がその人の個性を診断し理想的な組織を形成するのに使われるのが最も良いのですが、このような使い方をしている先生は今のところ、日本では1,2名しかいらっしゃいません。というよりも、現場でバリバリ働くサラリーマンが占い師を訪問し、運勢鑑定をお願いするといった例は、ほとんどありません。ですから通常、先生と言われる方が持っているデータの多くは、主婦、そして女性、そして芸能人、犯罪者などマスコミに登場する人物です。TVを通した顔と実際の本音の姿は随分異なるものですので、これでは、本当の意味での理論の検証になりません。日本の経済を支えているビジネスマンに役に立たないような理論や検証では無意味です。ですから、これから運命学を学習しようとする人は、基礎を習得した後は自分でその理論の実証をしていくことをお勧めします。自分が実証した部分や理論に関しては、他の先生がどんなことを言おうとも自信と確信を持つことができるようになります。


運命学が生まれてきた歴史


中国占星術が現在のように、体系化されたのは明の時代だとされています。それ以前は、陰陽五行哲学といった内容が中心だったと考えられます。さて、明の時代、中国では科挙の試験に合格し(今で言えば、国家公務員上級職)官僚になることが最大の出世であり、身分の低い者がその生まれた環境を大きく変えることができる唯一の手段でした。そういった時代ですから、自分の子供が生まれるとすぐに、仙人(運命学を極めた人)のところに行ってその子の将来を占ってもらって教育方針を決定したと言われます。


従って、四柱推命の使われ方は、極めて現実的であり、ビジネス的であり、社会的な成功を占うものの術として理論が発展してきた歴史があります。中国の運命学の流派は、明の時代に開祖したものが多く、現在まで10代から20代目の党首によって代々理論が練り上げられてきました。一方、日本には、明治時代に阿部泰山先生が文献を翻訳することによって四柱推命を広める功績を残しましたが、現在の日本の運命学の使われた方は、男女の相性や結婚といった分野が多く、本来の使われ方はほとんどされていません。また、日本特有のニーズに合わせてどんどんと本来の理論がカスタマイズされてきて、そういった理論が本屋で多く並んでいるといった現状があります。しかしその理論が、本当に実占で検証したものであるかどうかは、はなはだ疑問です。中国のように何代にも渡って、検証し続け理論が発展したきたという内容から比べれば、国内の事情は、四柱推命も風水地理学も商業主義的な理論(売りやすい理論)が優先しているように思えてなりません。

 


四柱推命の流派による相違点 

1. 午後11時過ぎを翌日とみなすかどうか?


これは、翌日とみなす方もいれば、当日とみなす方もいます。「新四柱推命プロ版」では23〜0時 0時〜1時で指定できます。つまり、1日の区切りは、0時としています。


2. 節入り時刻は暦によって違います。


当社の一部のソフトは香草社の「五術万年暦」を使用しています。奇門遁甲の局数、紫薇斗数推命に必要な”旧暦”(日本の暦とは一部異なります)もこの書籍に準拠しています。

しかし、星平会海プロ版は、天文暦を計算で出しています。旧暦も、台湾を基準にはしていません。日本を基準にしています。

3. 蔵干表について


『玉井奥訣』、『三命通会』、『子平真詮』、『星平会海』、『命理約言』、『子平枠言』、『命理通鑑』、の中国の原書と言われる内容にも違いがあり、現在7種類が確認されております。
国内ではそのうちの阿部泰山全集で採用された1ツが通常使われておりますが、各流派によって変更されているものも多く、当社に寄せられたものだけでも6種類程度存在しています。しかし泰山先生の直弟子であった、見上先生、西澤先生などもそれぞれ独自の蔵干表に変更して使っていたのが現実です。見上先生は実占で有名でしたが使いやすいものをという視点から改良し、西澤先生は暦学という観点から改良し緯度別によって蔵干表を変えるといった手法を採用しています。また中国式を採用する透派(佐藤六龍)はまったく別の蔵干表を採用しております。つまりプロであればある程、教科書の蔵干表をそのまま使っても的中しないという問題があるため、独自に工夫されている現実があります。

※ 現在、新四柱推命プロ版Ver8.0 では 6種類の蔵干表を指定できます。



4. 余気―中気―正気の採用について


この問題も、各流派によってまちまちですが、実占で著名な方は、だいだい、月支のみ月齢によって余気―中気―正気のいづれかに決定し、他の柱(年、日、時)は正気を採用するといった方法を採用しています。当社もそういう方法を採用し、蔵干の青色表示をしています。

5. 立運について


節入り日までの日数を数えて3で割るわけですが、その日数が1,2日の場合は処理の仕方が流派によってまちまちです。これについては現在、検討中ですが、当社では3で割らないでそのままの日数を採用しています。

6. 月支元命について


中国式の「透派」では、これは鑑定の際にはまったく判断の材料にしません。透派の「透」というのは、天干に透っているものを中心に判断するという意味があります。


また泰山流でも見上派は、「単なる家の表札」に過ぎないという見方をしていて、実際の鑑定の際にはあまり重視しません。しかし入門の書籍などを参考にする限り、ここを重要視する方も多いようです。
緒方泰州などの専門書になれば、月支を絶対視するようなことはしない書き方をしています。

 

7. 大運について


高木式は9年運ですが、これは当社では採用していません。


また日柱の次の干支から大運を出発させる流派もありますが、これも当社では採用していません。

 

8.十二運星について

 

教科書でよく見かける十二運星です。

教科書であまり見かけない十二運星ですが、古代中国では良く使われていました。